旅館の浴衣の着方

日本の旅館では、館内着として浴衣が用意されます。この浴衣には、日本の暑い夏を快適に過ごす工夫が凝らされ、お風呂上がりに最適な衣装です。着方も簡単で、ぜひ着てみて、日本旅行の気分を高めましょう。そこで、今回は旅館の浴衣の正しい着方についてご紹介します。

◆浴衣の着方

①自分の身長に合わせて、浴衣のサイズを選びましょう。
着用時の裾はくるぶしくらいの丈が目安です。

<参考>
S:身長145-155cm
M:身長155-165cm
L:身長165-175cm
LL:身長175cm以上

②両腕を袖に通し、背中の縫い目を体の中心に合わせて両襟の先を揃えます。

③右側の衣を左腰に巻き付け、できるだけ奥に入れ込みます。次に、左側の衣が上になるように右腰に巻き付けます。

 <注意>
先に右、次に左の順番が大事です。日本では、左が下になる着方は亡くなった方への着せ方で、縁起が悪いためNGです!

④衣を押さえたまま帯を持ち、帯の中心をお腹の中心に合わせます。手で押さえながら後ろでクロスして、前に戻って、体の前で結びます。

⑤寒い季節には、「羽織」や「丹前」を浴衣の上から重ねて着ましょう。

★もっと美しく見える女性の着こなしヒント

・襟はゆったり目に合わせること。
前の襟は喉のくぼみから指2本くらいのところまで合わせましょう。

・衣紋はこぶし1個分開けること。
左右の襟を左手で胸の前あたりで持ち、右手で背中の中心部を持って前後に引っ張りながら衣紋の抜き具合を調整しましょう。こぶし1個分くらいの抜き具合は、襟あしらいがキレイに見えます。

★もっと格好良く見える男性の着こなしヒント

・帯は腰骨に掛けて巻いていくこと。
ウエストの位置よりも、男性の帯は腰骨に掛けて巻いていくことが基本です。結び目を左から回して後ろ側へ、両手の親指を帯の中に入れ、おへそあたりまで下げると全体の着姿がバランスよく見えます。

・衣紋は抜かないこと。
衣紋を抜くのは女性だけです。男性の場合、首の後ろ部分の衣紋は首にピッタリと添うように意識しましょう。

◆浴衣を着用時、所作と装いは気をつけましょう

・座る時やしゃがむ時は、両膝を揃えること。
足元がめくれないように、両膝を揃えて上半身はまっすぐに保ち、腰を落とすとキレイです。座る時はもたれずに浅めに腰をかけ、背筋をピンと伸ばせば浴衣に似合います。

・手を伸ばす時は、袖口を押さえること。
食事や物を取る際に、たもとが邪魔にならないよう、伸ばす方の袖口をもう片方の手で軽く押さえましょう。

・階段で上り下りする時は、裾を少し持ち上げること。
階段では浴衣の裾を踏むと転倒の危険があり、裾が汚れてしまう可能性もあるので、上り下りの際に、体を少し斜めにして、浴衣の前裾を少し持ち上げましょう。

・トイレを利用する時は、裾を帯に挟むこと。
トイレでは、浴衣を汚れないように、上側から下側の順で裾を持ち上げて帯に挟みましょう。トイレから出る際に、裾を戻して、全身が乱れていないかを確認しましょう。

◆色浴衣

通常の旅館の浴衣は館内や就寝時にご利用いただくものですが、「色浴衣」は温泉街に色を添えてくれるデザイン豊富なカラフルな浴衣です。色浴衣を着て温泉街で散策したり、外湯めぐりをしたり、記念写真を撮ったりして、旅行の気分が高まります。色浴衣が一番有名なのは、色浴衣サービスの発祥地である城崎温泉ですが、現在は日本各地の旅館で提供されています。無料で貸し出すところもあれば、有料でレンタルできるところもあり、色浴衣サービスを組み込んだ宿泊プランもたくさんあります。旅館に泊まる際には、ぜひ色浴衣で旅の気分を盛り上げましょう。

以上が、日本の旅館の浴衣についてのご紹介です。
浴衣は和服(着物)の一種で、素肌の上に着るものであり、家庭でのくつろぎ着が起源となります。現代では、浴衣は夏季に身につけるおしゃれアイテムの一つとして人気があり、特に女性用の浴衣には、華やかな柄や色が多く見られます。花火大会や縁日、盆踊りなど、夏の行事の際に着用されます。旅館で用意されている浴衣は簡略化されたもので、着方も簡単ですが、本物の浴衣はもう少し複雑です。興味がある方は、ぜひ自分で調べてみてください。