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日本のお金について

日本を訪れる外国人観光客の皆さん、日本での代金の支払い方法やお金に関する情報を事前に知っておくと、旅がもっと快適になります。この記事では、日本のお金や両替方法、支払い手段などについてご紹介します。都市部ではクレジットカードやモバイル決済が普及している一方、地方では現金が必須の場面も少なくないので、ぜひ参考にしてください。

日本の通貨

日本の通貨は「円(Yen)」です。紙幣と貨幣が使われており、それぞれ以下の種類があります。

◎紙幣

現在、市場に流通している紙幣は以下の4種類です。

  • 一万円札(10,000円): 最大額の紙幣です。
  • 五千円札(5,000円): 中額紙幣で、レストランや小規模な買い物に便利です。
  • 二千円札(2,000円): 珍しい紙幣で、流通量が少ないためあまり見かけません。
  • 千円札(1,000円): 最もよく使われる紙幣で、自動販売機でも利用可能です。

★新しい紙幣が発行されました★

日本では、2024年7月3日に、約20年ぶりに新デザインの紙幣が発行されました。新しく発行された紙幣は、一万円札、五千円札、千円札の3種類です。デザインは現代的になり、偽造防止技術も強化されています。

新紙幣のお札に描かれる人物

  • 一万円札: 渋沢栄一。「近代日本経済の父」と称される人物。
  • 五千円札: 津田梅子。「女子英学塾(現・津田塾大学)」の創設者。
  • 千円札: 北里柴三郎。微生物学者で、「近代日本医学の父」と称される人物。

新紙幣を手に取る機会があれば、ぜひチェックしてみてください!

ご注意!!

「現在の紙幣は使えなくなるので新しい紙幣と交換しますよ」と持ちかける詐欺行為に注意してください。新しい紙幣が発行されても、これまでの紙幣も引き続き使用できます!

◎貨幣

500円、100円、50円、10円、5円、1円の6種類があります。それぞれ大きさや材質が異なり、慣れるまで時間がかかるかもしれませんが、使いこなせると便利です。

※上記の通貨画像は財務省ホームページより引用しています。

両替する方法

日本に入国する前にすでに日本円を準備した方もいらっしゃいますが、日本に到着してから円を入手できる便利な方法をご紹介します。

◎空港での両替

日本に到着したら、まず空港の両替所を利用するのがおすすめです。営業時間が長く、安心して利用できます。ただし、手数料が高めの場合もあるのでご注意ください。

◎駅や繁華街の外貨両替所

主要な駅や繁華街には外貨両替所があります。多言語対応の場所も多く、英語や中国語の案内が表示されています。

◎ATMでのキャッシング

国際キャッシュカードやクレジットカードを使えば、日本のATMで円を引き出すことができます。セブンイレブンや郵便局のATMは、外国カード対応が充実しており、24時間営業の場所もあります。

代金の支払い方法:現金とキャッシュレス

都市部でのキャッシュレス決済

東京や大阪などの都市部では、クレジットカードが広く利用されています。Visa、Mastercardの対応率が高いです。また、外国人観光客がよく訪れる店舗や観光施設、飲食店では以下のモバイル決済も利用可能です:

  • Apple Pay
  • Alipay(支付宝)
  • WeChat Pay(微信支付)

地方では現金が重要

一方、地方では現金しか使えない場合がまだまだ多いです。特に、小さな飲食店やお土産店、路線バスなどの公共交通では現金払いが一般的です。旅の途中で困らないよう、現金を十分に持っておきましょう。

まとめ

日本での支払いは、現金とキャッシュレスの両方をバランスよく使うのがおすすめです。都市部ではクレジットカードやモバイル決済が便利ですが、地方や特定の場面では現金が必要になることがあります。日本円の両替やATM利用を上手に活用して、快適な旅を楽しんでくださいね!

日本のタクシー

タクシーは観光客もよく利用する公共交通の一つです。各国・地方のタクシーは他と違う特徴があり、その利用方法も差異が存在します。今回は、日本のタクシーについてご紹介します。

◆タクシーの車両

街の中に走っている“行灯”が付いている車です。

・セダン車
東京都内も地方も、最も多い車種。色の決まりがありません。基本は、4人まで乗車可能(助手席1名、後部座席3名)。一部の中型車は、5人まで乗車可能(運転席と助手席の間に1名が座れる)。

・JPN TAXI(ジャパンタクシー)
東京オリンピックをきっかけにデビューした新車種。首都圏1都3県でよく見られます。スライドドアで乗降車がよりスムーズに。足元の広いスペースと高い天井は乗り心地良くて、背の高い欧米人だけではなく、年配の方や子連れの方、荷物の多い方などにも愛用されています。見た目がワゴン車ですが、実は小型車で、セダン車と同じく4人までしか乗れません。

・ワゴンタクシー
5〜6人まで乗車可能な大型車。グループで移動したい時や、荷物が多い時は非常に便利。但し、荷物スペースが限られているため、荷物が多い時は定員まで乗れないこともあります。大体、大人4人+スーツケース4つまでの利用となります。ハイエースという車種は9人まで乗車可能ですが、荷物が多い時は、大人6人+スーツケース6つまで利用可能。
空港や駅のタクシー乗り場の待機列以外には予約しないと利用できないと思われるかもしれませんが、実は、他のタクシーと同じく街中に走っています。手を挙げれば乗れます。

 

◆タクシーを呼ぶ

・手を挙げて呼ぶ
道端で手を挙げれば、空車のタクシーへの合図になります。

★タクシーが空車かどうか判別する方法

①スーパーサインの表示を見る:「空車/VACANT」や「割増」なら乗車可能
「割増」は深夜料金適用時間帯の空車の表示となります。「空車」と「割増」は赤色で表示することが多いです。一方、「迎車」「回送」「予約車」「支払」などは、オレンジ色の表示が多いです。漢字の読めない外国人の方や遠くからはっきり見えない場合などは、色で判別してください。

②夜は、行灯を見る:点灯しているなら乗車可能
タクシーの行灯はメーターと連動しています。誰かが乗車したら、メーターが「賃走」となり、タクシーの行灯も消灯となりますので、点灯しているタクシーなら乗車できます。

★タクシーの行灯が赤く点滅しているのを見つけたら、110番へ通報してください。これはタクシー運転手さんが出した「SOS」の合図です。

・配車アプリを使って、タクシーを呼ぶ
日本で最も広い範囲で使われている配車アプリは「GO」です。東京都では、「S.Ride」も便利です。アメリカ発祥の「Uber」や中国の「DiDi」なども使える都市もありますが、配車できる車両の数が非常に少なく、エリアもけっこう限定されています。

配車アプリでタクシーを呼ぶ場合、基本的に会員登録が必要で、「迎車料金」がかかります。今すぐの乗車ではなく、時間指定の場合は「予約料金」もかかります。

・電話して、タクシーを呼ぶ
大都市や観光地以外では、タクシーの台数が非常に少ないです。配車アプリも利用していないタクシー会社でタクシーを呼びたい場合は、電話するという手段しかありません。アプリ配車と同様に、「迎車料金」や「予約料金」がかかります。レストランやホテルではお店から呼んでいただけることもあります。

・タクシー乗り場で乗車待ち
空港や、駅前、繁華街などでは、タクシーの乗車場所に規定がありますので、指定されたタクシー乗り場に並んで乗車を待ちましょう。

◆タクシーに乗車

・席順
3人以下乗車する場合は、基本的に全員が後部座席に座り、4人目は助手席に座ります。

・自動ドア
ほとんどのタクシーの後部ドアは自動ドアです。乗車時も降車後も自分で開け閉めする必要はありません。前方ドアは自動ドアではありません。助手席に座る方は自分で開け閉めする必要があります。

・シートベルト
助手席に座る方はシートベルトの着用が必須です。後部座席に座る方も自分の安全のため、シートベルトを着用してください。高速道路では後部座席も着用の義務があります。

◆タクシーの料金

・認可料金
日本のタクシー料金は、メーターで計る認可料金制で、言い値は基本的にNGです。
初乗りと単位料金の金額は地方によって異なりますが、時間制料金(時速10km以下)と距離制料金の併用は一緒です。走行ルートが全く一緒であっても、赤信号の待ち時間や渋滞状況などによって、料金が異なる場合があります。
また、22時〜朝5時の間は深夜料金の時間帯となり、通常料金より約2割高くなります。

・支払い方法
タクシー利用時は日本円の現金をご用意ください。

大都市と主要観光地では、現金以外にメジャーなクレジットカードや交通系ICカード、QRコード決済などの支払い方法が利用できますが、地方や個人タクシー、電波が悪い場所などは「現金のみ」支払い可能な場合もあります。

・お得な定額タクシー
空港への送迎は、お得な定額タクシーがオススメです!自宅やホテルから空港へ、または空港からホテルや自宅へ、乗車のルートや渋滞状況に関係なく、料金が決まっています。「空港定額タクシー」以外には、「東京ディズニーリゾート定額タクシー」もあります。テーマパークのほか、オフィシャルホテルも定額の対象となります。

・観光周遊のための貸切タクシー
メーター料金や定額タクシー以外に、「観光(貸切)タクシー」というお得な利用方法もあります。数時間単位でタクシーをマイカーとして利用、周遊型の観光や、お客様訪問などの場合に活用できます。

◆営業区域と乗車拒否

・営業区域
日本ではタクシーの営業区域は法令で定められているため、場所によって利用できるタクシー会社が異なります。タクシーをご利用する際に、滞在先のホテルなどに利用できるタクシー会社や利用方法などを確認するのがおすすめです。

・乗車拒否
日本のタクシーは、原則、乗車拒否できません。ただし、例外として乗車拒否できるケースもあります。乗客が車中に喫煙・飲酒や暴れるなどのような行為を行い、止めても従わない時、危険物を携行している時、過度に酔っ払っていたり、不潔な格好をして車内の清掃や消臭が必要となったりする時など、そして付添人が伴っていない重病者と感染病に罹患している所見がある方の乗車を拒否することができます。

以上は、日本タクシーの基本な乗り方の紹介です。
後編には、ご当地タクシーや、ユニークなラッピングタクシーなど、日本のタクシーの特有な豆知識をご紹介する予定です。興味をお持ちの方、ぜひ後編もお楽しみください。

会席料理の食べ方

せっかくの日本旅行、少なくとも一泊は日本の温泉旅館に泊まりたいでしょう。温泉に入ることや、畳の上で寝ること、色浴衣を着て記念写真を撮ることなど、いろいろなお楽しみがありますが、贅を尽くした品々が膳を彩る会席料理は和食の魅力がぎっしり詰まっているので、ぜひ一度体験しましょう。

 

◆会席料理とは

会席料理は、お酒を楽しむためのコース形式の日本料理です。地元産の旬な食材の本来の味わいや、調理方法から感じられるその土地の暮らし、四季の彩りなど、五感で楽しめます。献立に従って、一品ずつ順番に出された料理を食べていく「喰い切り」の召し上がり方は、「決まりが多くて難しそう」というイメージを持つ人も少なくありませんが、実は、一汁三菜が基本で決まりがほとんどありません。

★献立
テーブルには「献立」が置いてあります。献立には、これから出される料理の詳細と順番記載されます。

ほとんどの旅館の献立は日本語のものしかないため、外国人観光客が読んでも意味がわかりません。その一品一品の料理はなんでしょうか?どんな味なのか?どういう順番で食べるか?どう食べるか?など、召し上がり方に困っている方は非常に多いため、ここで会席料理の基本の召し上がり方をご紹介します。
なお、ここで紹介するのは会席料理の一例です。旅館や料理人によって、順番や内容が異なります。

1、食前酒
文字通り、食べる前のお酒です。フルーティーな果実酒がほとんどで、食事の前に食欲を開くために飲みます。そのまま飲み干さなくても大丈夫です。前菜を肴にして飲み続けても良いです。

2、先付(さきづけ)・前菜
先付は素材を生かした淡泊な味わいの一品です。乾杯をしたら、まず先付を肴にしてください。より一層お酒の味が引き立ちます。
前菜は、旬の野菜を中心に、彩り豊かな料理が5〜8種類ほど揃う、会席料理の中で最も季節を感じられる一品です。

3、吸い物(すいもの)・椀物(わんもの)
つゆを魚介類や野菜などの実とともに吸うようにしたスープ料理のことです。

4、向付(むこうづけ)
和食の醍醐味とも言える「お造り(刺身)」のことです。その日最も良いお魚が一品だけ登場する場合もありますが、3点盛りなど複数のお魚が乗っている場合は白身から赤身の順番で食べましょう。

5、鉢肴(はちざかな)
ここから、料理の中盤に入り、焼き物や温物、揚げ物が登場します。
焼き物は、献立のメイン料理の1つで、旬の魚をシンプルに焼いて供されることが多いです。
温物は、野菜を使った暖かい汁気のある煮物料理で、繊細で料理人の技術が求められます。
揚げ物の代表は「てんぷら」ですが、カリカリに揚げた小魚や、竜田揚げが供される場合もあります。エビなどの海鮮だけでなく、松茸や野菜など、旬のものもよく使われます。

6、強肴(しいざかな)
二品目のメインディッシュとして提供される料理を指します。お肉やお魚、野菜などを用いた酒の肴となる料理で、調理法も様々で、特に決まりはありません。
一人用のコンロを使った焼き物、煮物、小鍋仕立てなどを「台の物」として出す場合が多いです。

★すき焼きの召し上がり方
台の物としてすき焼きが出される場合、いつも生卵が付きます。この生卵は、実はすき焼きを食べる際の「タレ」です。鍋から取ったお肉とお野菜をとじた生卵をつけてからお口に運びましょう。これは正しいすき焼きの召し上がり方ですが、生卵が苦手な方は無理をせず、自分の好きな食べ方で結構です。

7、止め肴(とめざかな)
強肴とごはんのあいだに出される口直しのための小鉢です。季節の魚介や野菜を使った酢の物や和え物が出されることが一般的です。

8、食事
言わば締めの料理、いよいよ終盤です。炊き込みご飯や寿司、白ご飯などの「御飯物」、味噌汁やすまし汁などの「止め椀」、そして「香の物(漬物)」の3品で構成される場合がほとんどです。

※普段の食事は、ご飯とお菜が一緒に食べることが多いですが、会席料理は会話や酒を楽しむことを目的としているため、最後にご飯が出てきます。お酒をあんまり飲まない方、早めにご飯を食べたい場合、仲居さんに言えば、ほとんどは早めに出してもらえます。

9、水菓子(みずがし)
もとは果物を意味する、会席におけるデザートです。生の果物のほか、あんみつや羊かんといった和菓子、シャーベットやアイスクリームなどの洋菓子も一緒に出されます。

以上は、会席料理の基本内容と召し上がる順番となります。旅館や料理人によって、献立の書き方や料理の内容が異なりますが、だいたいこのような順番に料理が出されることを念頭におけば、お困りなく会席料理を楽しめるでしょう。

◆会席料理がもっと美味しくなる、知っておきたい「3つのこと」

以下の3つのことを知っておくなら、会席料理をもっと美味しく味わえます。

①お魚
お刺身や焼き魚、煮魚、酢の物など、魚は和食に欠かせない食材です。魚の素材の見極め方や、身の下ろし方、調理法と味付けなど、いずれも料理人の工夫が隠されていますので、会席料理を召し上げる際に、ぜひお魚料理を注目してください。

②季節
会席料理は、季節ごとに献立が変わり、その時々の旬の食材をふんだんに使います。旬の食材それぞれが持った旨みを引き出し、季節の味わいと彩りを五感で感じ取れることが、料理人の腕の見せどころです。

③器
少し意外かもしれませんが、料理の色味と季節に合わせた器を選んで使用するのが会席料理の醍醐味とも言えます。洋食のコースは白い磁器やガラスの器で統一されることが多いのですが、和会席では陶器を中心に色や形、手触りに個性がある様々な器が使用されます。

今回の内容は、以上となります。
外国人観光客が日本での旅をもっと楽しめるための「お役たち情報」をどんどん更新しますので、見逃さないでね!

旅館の浴衣の着方

日本の旅館では、館内着として浴衣が用意されます。この浴衣には、日本の暑い夏を快適に過ごす工夫が凝らされ、お風呂上がりに最適な衣装です。着方も簡単で、ぜひ着てみて、日本旅行の気分を高めましょう。そこで、今回は旅館の浴衣の正しい着方についてご紹介します。

◆浴衣の着方

①自分の身長に合わせて、浴衣のサイズを選びましょう。
着用時の裾はくるぶしくらいの丈が目安です。

<参考>
S:身長145-155cm
M:身長155-165cm
L:身長165-175cm
LL:身長175cm以上

②両腕を袖に通し、背中の縫い目を体の中心に合わせて両襟の先を揃えます。

③右側の衣を左腰に巻き付け、できるだけ奥に入れ込みます。次に、左側の衣が上になるように右腰に巻き付けます。

 <注意>
先に右、次に左の順番が大事です。日本では、左が下になる着方は亡くなった方への着せ方で、縁起が悪いためNGです!

④衣を押さえたまま帯を持ち、帯の中心をお腹の中心に合わせます。手で押さえながら後ろでクロスして、前に戻って、体の前で結びます。

⑤寒い季節には、「羽織」や「丹前」を浴衣の上から重ねて着ましょう。

★もっと美しく見える女性の着こなしヒント

・襟はゆったり目に合わせること。
前の襟は喉のくぼみから指2本くらいのところまで合わせましょう。

・衣紋はこぶし1個分開けること。
左右の襟を左手で胸の前あたりで持ち、右手で背中の中心部を持って前後に引っ張りながら衣紋の抜き具合を調整しましょう。こぶし1個分くらいの抜き具合は、襟あしらいがキレイに見えます。

★もっと格好良く見える男性の着こなしヒント

・帯は腰骨に掛けて巻いていくこと。
ウエストの位置よりも、男性の帯は腰骨に掛けて巻いていくことが基本です。結び目を左から回して後ろ側へ、両手の親指を帯の中に入れ、おへそあたりまで下げると全体の着姿がバランスよく見えます。

・衣紋は抜かないこと。
衣紋を抜くのは女性だけです。男性の場合、首の後ろ部分の衣紋は首にピッタリと添うように意識しましょう。

◆浴衣を着用時、所作と装いは気をつけましょう

・座る時やしゃがむ時は、両膝を揃えること。
足元がめくれないように、両膝を揃えて上半身はまっすぐに保ち、腰を落とすとキレイです。座る時はもたれずに浅めに腰をかけ、背筋をピンと伸ばせば浴衣に似合います。

・手を伸ばす時は、袖口を押さえること。
食事や物を取る際に、たもとが邪魔にならないよう、伸ばす方の袖口をもう片方の手で軽く押さえましょう。

・階段で上り下りする時は、裾を少し持ち上げること。
階段では浴衣の裾を踏むと転倒の危険があり、裾が汚れてしまう可能性もあるので、上り下りの際に、体を少し斜めにして、浴衣の前裾を少し持ち上げましょう。

・トイレを利用する時は、裾を帯に挟むこと。
トイレでは、浴衣を汚れないように、上側から下側の順で裾を持ち上げて帯に挟みましょう。トイレから出る際に、裾を戻して、全身が乱れていないかを確認しましょう。

◆色浴衣

通常の旅館の浴衣は館内や就寝時にご利用いただくものですが、「色浴衣」は温泉街に色を添えてくれるデザイン豊富なカラフルな浴衣です。色浴衣を着て温泉街で散策したり、外湯めぐりをしたり、記念写真を撮ったりして、旅行の気分が高まります。色浴衣が一番有名なのは、色浴衣サービスの発祥地である城崎温泉ですが、現在は日本各地の旅館で提供されています。無料で貸し出すところもあれば、有料でレンタルできるところもあり、色浴衣サービスを組み込んだ宿泊プランもたくさんあります。旅館に泊まる際には、ぜひ色浴衣で旅の気分を盛り上げましょう。

以上が、日本の旅館の浴衣についてのご紹介です。
浴衣は和服(着物)の一種で、素肌の上に着るものであり、家庭でのくつろぎ着が起源となります。現代では、浴衣は夏季に身につけるおしゃれアイテムの一つとして人気があり、特に女性用の浴衣には、華やかな柄や色が多く見られます。花火大会や縁日、盆踊りなど、夏の行事の際に着用されます。旅館で用意されている浴衣は簡略化されたもので、着方も簡単ですが、本物の浴衣はもう少し複雑です。興味がある方は、ぜひ自分で調べてみてください。

温泉・大浴場の入り方

日本では、昔から温泉が利用されてきました。日本人は「風呂好きだ」とよく言われます。浴槽はほとんどの家庭やホテル・旅館の浴室の標準装備で、毎日も汗やほこりで汚れた身体を洗い流して湯船に浸かります。 旅館・ホテルの大浴場や露天風呂、大型温浴施設、銭湯などでは、広々とした浴槽に満々とたたえられた温泉・温水に浸ることは、家庭の風呂以上の開放感と爽快感が味わえることは言うまでもありません。快適に入浴できるよう、日本の大衆浴場(温泉・大浴場・銭湯など)の入り方や注意事項などを前もって知っておきましょう。

★裸で入浴

全裸で入浴するのは日本の温泉のマナーと言えます。もちろん、混浴可能な温泉や貸切風呂、水着OKな施設などもありますが、日本の大衆浴場はほとんど、男女別々で裸で入浴するものです。体を知らない人に見られるのが嫌な方は、部屋のお風呂をご利用ください。

◆お風呂に入る前に知るべきこと

1、体に負担をかけないこと

・空腹時や食後すぐ、飲酒後の入浴を避けましょう。
・高齢者、高血圧症、心臓病の人又は脳卒中を経験した人は、42℃以上の高温浴は避けましょう。
・心肺機能が低下している人は、半身浴や部分浴が望ましい。
・浴槽から出る時は、立ちくらみを起こさないようにゆっくり出ましょう。

2、長時間入浴しないこと

1日当たり1~2回とし、入浴温度により異なるが、1回当たりは3~10分程度で、手足を軽く動かす程度にして静かに入浴しましょう。

3、水分補給を心がけること

脱水症状等を避けるため、入浴前後はコップ一杯程度の水を飲みましょう。

◆入浴のマナー

・体にタトゥーのある方は入浴できません。
※施設によってルールが異なります。湯帷子やシールで隠すことによって可能となる場合もあります。
・湯船に入る時、水着や下着を着用してはいけません。

・清潔を保つため、浴槽にタオルを入れないでください。
・長い髪を束ねて、湯船の中に落とさないように注意しましょう。

・湯船で泳いだり、飛び込んだり、潜ったりしてはいけません。
・浮き輪やボール、おもちゃなどの遊泳グッズの使用も禁止です。

・大声での会話を控え、静かに入浴しましょう。
・盗撮防止のため、脱衣場も含め、スマホの使用は禁止です。

・湯船の中で体をゴシゴシ擦ったり、髪の毛を洗ったりしないでください。

・湯温が高くても、勝手に冷水で薄めてはいけません。
・洗い場で体や頭髪を洗うこと以外の行為(洗濯や髪を染めることなど)は控えましょう。

◆持ち物の準備

旅館では、シャンプーやリンス、ボディソープ、櫛などの備品は、基本的に浴場内に用意されていることが多いため、客室に置いてあるフェイスタオル・バスタオルと浴衣を持っていってください。自由に使えるタオル類を浴場に用意してある施設は、客室から持っていく必要がありません。

ホテルの場合、旅館と違って、スリッパやバスローブ、寝巻きなどは客室内のみで利用できますので、大浴場への服装や持ち物などは、そのホテルの規定に従ってください。また、温泉や大浴場では、鍵付きのロッカーの用意がない場合もあるため、貴重品を持って行かないようにしましょう。

◆入浴の手順

①素足で脱衣所へ

旅館の場合は、部屋からスリッパを履いて大浴場に行きましょう。入り口でスリッパを脱いで、床にキレイに並べたり、靴棚に置いといたりして、素足で脱衣所へ向かいましょう。お帰りの際にも自分が履いてきたスリッパを履きたい場合、他人のものと区別できるよう、少し離して置いたり、旅館が用意した番号札やメモ用紙などで印を付けたりしてください。

②脱衣場で服を脱いでシャワーへ

脱衣所には、衣類を入れるカゴやロッカーを用意されています。脱いだ服をカゴに入れて、バスタオルでカゴを覆っておきましょう。こうすると、カゴの中は他人が見えなくなり、入浴後もすぐバスタオルが使用できます。フェイスタオルを持って浴場に入りましょう。
裸になることに抵抗があるなら、脱衣所からお風呂場に移動する間、フェイスタオルを使って隠すといいです。

③シャワーと掛け湯

湯船に入る前に、必ず全身を洗いましょう。イスに座ってシャワーをしましょう。シャンプー、リンス、ボディソープと洗顔は基本的にご用意があります。メイク落としは脱衣所の洗面台に置いてある場合もあります。シャワーで全身を洗浄した後、湯おけで体の末端から頭に向かって「掛け湯」をして、お湯の温度に体を馴らしましょう。 ※湯おけを裏返して椅子の上に置いてあるのは空いている場所なので、自由にご利用ください。ご利用後、泡などがついてないよう、椅子と湯おけをキレイにして、最初の状態に戻しましょう。 同じ日の2回目の入浴など、シャワーの必要がない場合、湯船の近くに置いてある手桶を使って掛け湯をしてから湯船に入りましょう。

④入浴

湯船に静かに入り、最初はみぞおちまで湯に浸かる「半身浴」をしましょう。湯温に慣れてから「全身浴」へ、身体を浮かせたり、手足を軽く動かしたりして血行を促進させましょう。 額が汗ばむ程度になったら、湯船から出ましょう。 温浴効果を保つため、体を洗い流さないようにしましょう。ただし、肌の弱い方は、刺激の強い泉質の温泉成分等を温水で洗い流した方が良いです。

★入浴後の心がけ

・着衣の上、保温及び30分程度の安静を心がけましょう。
・脱水症状を防ぐため、水分補給を心がけましょう。

以上が、日本の温泉・大浴場の入り方のご紹介です。慣習とマナーを事前に知って、快く入浴しましょう。

日本の旅館の過ごし方

◆旅館とは?

旅館は、日本ならではの和式の構造と設備のある宿泊施設で、細やかな心遣いと日本の文化を味わえるサービスを提供します。日本の法律上では、旅館とホテルは明確な違いがありませんが、「ホテル=洋風、旅館=和風」は多くの方がイメージする両者の特徴ですね。

旅館ではホテルのスタッフは「仲居さん」と言います。仲居さんは食事を準備したり、布団を敷いたり、困ったことを手伝ってくれたりします。

また、よく聞かれる「女将さん」は、仲居さんを統括し、ホテルでは総支配人や支配人などの役職に相当する旅館の責任者です。

◆一般的な旅館での過ごし方

1、入室

チェックイン後、スタッフが部屋までご案内します。
客室の入り口で靴を脱いでお上がりください。
室内や畳の上では素足で、旅館館内では玄関/靴箱に置いてあるスリッパをご利用ください。

2、休憩

部屋にはお茶とお茶菓子が用意されています。こちらは無料のもので、召し上がりながら一息入れましょう。
※冷蔵庫の中の飲み物(ソフトドリンク、お酒)は有料です。チェックアウトの際に精算が必要となります。


★甘い茶菓子を置いてあるのは何故でしょうか?

お茶に合うから?おもてなし?ウェルカムお菓子?と思うかもしれませんが、実は、この甘いお菓子は温泉に入浴されるお客様への気遣いです。温泉に入ると、血糖値や血圧が低くなり易くて、体調が悪くなる可能性もあります。そこで、温泉に入る前に甘いお菓子を食べておくことで、体の血糖値を少し上げておいて、気分悪化を予防しようという気遣いです。同じ理由から、空腹状態での温泉入浴はおすすめしません。

3、館内でのんびり滞在

夕食前の自由時間は、館内の売店でお土産や工芸品などを見たり、温泉に入ったり、カラオケや卓球などの娯楽を楽しみたりして過ごすのがおすすめです。

浴衣姿で、館内で移動したり、食事を召し上がったりするのは全然OK!

★浴衣の着用は、こちらをご覧ください。

4、夕食

お部屋かお食事処で日本食(会席料理)をお楽しみください。
※施設や宿泊プランによって、夕食はハイキングやセットメニューで提供する場合もあります。
★会席料理の召し上がり方はこちらをご覧ください。

5、入浴

寝る1~2時間前に体を温めると、徐々に体温が下がって眠りにつきやすくなります。就寝時間に合わせて、入浴を楽しみましょう。

★温泉の入り方は、こちらの記事をご覧ください。

6、就寝

旅館では畳の上で寝ます。これは日本特有の文化です。
夕食時(部屋食の場合は夕食後)、仲居さんがお部屋に布団を敷きます。
※施設によって、布団を敷くのはお客様自身で行う場合もあります。

7、朝風呂

朝からお風呂に浸かることで体温が上昇します。これにより、発汗作用が促進され、新陳代謝のアップへつながります。また、交感神経も活発になり、スッキリとした目覚めを得ることができます。

8、朝食

夕食と同じく、お部屋かお食事処にご用意されます。
和食の朝食セットやバイキングの形式で提供されることが多いです。

★「和食」は2013年にユネスコの無形文化遺産に登録されました。日本の朝食は、基本的に「一汁三菜」です。味噌汁にごはん、魚・肉・卵・野菜を使って、好みの方法で調理した副菜3品がつきます。

9、チェックアウト・精算

ほとんどの旅館は、メジャーな国際ブランドのクレジットカードがご利用いただけます。
また、チェックアウト後に周辺観光を予定している場合、フロントに荷物を預けることも可能です。

以上は、日本の旅館の一般的な過ごした方でした。機会がございましたら、ぜひ日本ならではの旅館文化を体験して、心身をリラックスして旅を満喫しましょう!