タクシーは観光客もよく利用する公共交通の一つです。各国・地方のタクシーは他と違う特徴があり、その利用方法も差異が存在します。今回は、日本のタクシーについてご紹介します。
◆タクシーの車両
街の中に走っている“行灯”が付いている車です。
・セダン車
東京都内も地方も、最も多い車種。色の決まりがありません。基本は、4人まで乗車可能(助手席1名、後部座席3名)。一部の中型車は、5人まで乗車可能(運転席と助手席の間に1名が座れる)。

・JPN TAXI(ジャパンタクシー)
東京オリンピックをきっかけにデビューした新車種。首都圏1都3県でよく見られます。スライドドアで乗降車がよりスムーズに。足元の広いスペースと高い天井は乗り心地良くて、背の高い欧米人だけではなく、年配の方や子連れの方、荷物の多い方などにも愛用されています。見た目がワゴン車ですが、実は小型車で、セダン車と同じく4人までしか乗れません。

・ワゴンタクシー
5〜6人まで乗車可能な大型車。グループで移動したい時や、荷物が多い時は非常に便利。但し、荷物スペースが限られているため、荷物が多い時は定員まで乗れないこともあります。大体、大人4人+スーツケース4つまでの利用となります。ハイエースという車種は9人まで乗車可能ですが、荷物が多い時は、大人6人+スーツケース6つまで利用可能。
空港や駅のタクシー乗り場の待機列以外には予約しないと利用できないと思われるかもしれませんが、実は、他のタクシーと同じく街中に走っています。手を挙げれば乗れます。

◆タクシーを呼ぶ
・手を挙げて呼ぶ
道端で手を挙げれば、空車のタクシーへの合図になります。

★タクシーが空車かどうか判別する方法
①スーパーサインの表示を見る:「空車/VACANT」や「割増」なら乗車可能
「割増」は深夜料金適用時間帯の空車の表示となります。「空車」と「割増」は赤色で表示することが多いです。一方、「迎車」「回送」「予約車」「支払」などは、オレンジ色の表示が多いです。漢字の読めない外国人の方や遠くからはっきり見えない場合などは、色で判別してください。

②夜は、行灯を見る:点灯しているなら乗車可能
タクシーの行灯はメーターと連動しています。誰かが乗車したら、メーターが「賃走」となり、タクシーの行灯も消灯となりますので、点灯しているタクシーなら乗車できます。

★タクシーの行灯が赤く点滅しているのを見つけたら、110番へ通報してください。これはタクシー運転手さんが出した「SOS」の合図です。

・配車アプリを使って、タクシーを呼ぶ
日本で最も広い範囲で使われている配車アプリは「GO」です。東京都では、「S.Ride」も便利です。アメリカ発祥の「Uber」や中国の「DiDi」なども使える都市もありますが、配車できる車両の数が非常に少なく、エリアもけっこう限定されています。

配車アプリでタクシーを呼ぶ場合、基本的に会員登録が必要で、「迎車料金」がかかります。今すぐの乗車ではなく、時間指定の場合は「予約料金」もかかります。

・電話して、タクシーを呼ぶ
大都市や観光地以外では、タクシーの台数が非常に少ないです。配車アプリも利用していないタクシー会社でタクシーを呼びたい場合は、電話するという手段しかありません。アプリ配車と同様に、「迎車料金」や「予約料金」がかかります。レストランやホテルではお店から呼んでいただけることもあります。

・タクシー乗り場で乗車待ち
空港や、駅前、繁華街などでは、タクシーの乗車場所に規定がありますので、指定されたタクシー乗り場に並んで乗車を待ちましょう。

◆タクシーに乗車
・席順
3人以下乗車する場合は、基本的に全員が後部座席に座り、4人目は助手席に座ります。

・自動ドア
ほとんどのタクシーの後部ドアは自動ドアです。乗車時も降車後も自分で開け閉めする必要はありません。前方ドアは自動ドアではありません。助手席に座る方は自分で開け閉めする必要があります。
・シートベルト
助手席に座る方はシートベルトの着用が必須です。後部座席に座る方も自分の安全のため、シートベルトを着用してください。高速道路では後部座席も着用の義務があります。
◆タクシーの料金
・認可料金
日本のタクシー料金は、メーターで計る認可料金制で、言い値は基本的にNGです。
初乗りと単位料金の金額は地方によって異なりますが、時間制料金(時速10km以下)と距離制料金の併用は一緒です。走行ルートが全く一緒であっても、赤信号の待ち時間や渋滞状況などによって、料金が異なる場合があります。
また、22時〜朝5時の間は深夜料金の時間帯となり、通常料金より約2割高くなります。
・支払い方法
タクシー利用時は日本円の現金をご用意ください。

大都市と主要観光地では、現金以外にメジャーなクレジットカードや交通系ICカード、QRコード決済などの支払い方法が利用できますが、地方や個人タクシー、電波が悪い場所などは「現金のみ」支払い可能な場合もあります。

・お得な定額タクシー
空港への送迎は、お得な定額タクシーがオススメです!自宅やホテルから空港へ、または空港からホテルや自宅へ、乗車のルートや渋滞状況に関係なく、料金が決まっています。「空港定額タクシー」以外には、「東京ディズニーリゾート定額タクシー」もあります。テーマパークのほか、オフィシャルホテルも定額の対象となります。

・観光周遊のための貸切タクシー
メーター料金や定額タクシー以外に、「観光(貸切)タクシー」というお得な利用方法もあります。数時間単位でタクシーをマイカーとして利用、周遊型の観光や、お客様訪問などの場合に活用できます。
◆営業区域と乗車拒否
・営業区域
日本ではタクシーの営業区域は法令で定められているため、場所によって利用できるタクシー会社が異なります。タクシーをご利用する際に、滞在先のホテルなどに利用できるタクシー会社や利用方法などを確認するのがおすすめです。
・乗車拒否
日本のタクシーは、原則、乗車拒否できません。ただし、例外として乗車拒否できるケースもあります。乗客が車中に喫煙・飲酒や暴れるなどのような行為を行い、止めても従わない時、危険物を携行している時、過度に酔っ払っていたり、不潔な格好をして車内の清掃や消臭が必要となったりする時など、そして付添人が伴っていない重病者と感染病に罹患している所見がある方の乗車を拒否することができます。
以上は、日本タクシーの基本な乗り方の紹介です。
後編には、ご当地タクシーや、ユニークなラッピングタクシーなど、日本のタクシーの特有な豆知識をご紹介する予定です。興味をお持ちの方、ぜひ後編もお楽しみください。